仕事をしたいのに子供を預ける場が無い
保育所の入所条件の矛盾
以前、「保育所落ちた日本死ね」という匿名のブログが公開され、ニュースになったことがありました。これを書かれたご本人は、誰に読んでもらうでもなく、ひとり言のような気持ちで書いたと語っておられますが、このブログの文章は、他の方からも大変共感されています。とある母親から聞いた話をご紹介しましょう。
その方はシングルマザーではないのですが夫の収入だけでは生活できないので、共働きの家庭です。子供が生まれて、仕事を再開するのに当然仕事中は子供を預かってもらわなければなりません。ですので、保育所に入所希望をだしたところ、「仕事が決まっていないとまず入所できない」と言われたそうです。しかし、子供を出産するために彼女は一旦仕事を辞めているので、就職活動をしているところでした。
面接では「子供さんを預ける場所は決まっているか」と必ず聞かれます。そこで嘘は言えませんので、「まだ保育所が決まりません」と話すと、たいてい断られてしまうそうです。一方では仕事が決まらないと入所できない、もう一方では入所が決まらないと仕事させられない。このような矛盾をかかえて、どうやって仕事をしながら子育てできると言うのでしょう?
多くのシングルマザーが困っている
シングルマザーの場合は、自分が働かなければ収入を得られないため、仕事をするしかありません。しかし、子供がまだ幼い場合は保育所に入れなければ仕事ができません。夫婦で一緒に子育てしている場合は、最悪保育所が決まるまで母親が仕事をしないでということはできるかもしれませんが、シングルマザーはその選択肢は無いんです。
先ほどご紹介した「保育園落ちた日本死ね」ブログでも言えますが、このブログを書かれた方はシングルマザーではありませんが、今の日本の現状を切実に表現なさっていると思います。
日本は子育てに向いていない!?
子育てと仕事が両立できる国といえば、ノルウェーが有名です。ノルウェーは、男女平等がきちんとなされており、男性もきちんと家事をこなします。また、管理職のほとんどが女性という会社も多いですし、子育てに関しての保障がきちんとされています。
男女平等の基準を計る数値に「ジェンダーギャップ指数」というのがあります。ちなみに日本は、145ヵ国中101位という恥ずかしい結果です。このことからも、今の日本では決して「子育てしやすい国」と言えるものは何もありません。少子化問題を取り上げたりと表面上では子育てに対して熱心ですが、実際は「産んでも育てられない、育てにくい」という印象を持たれている方も多く、子供さんを生むのを諦めたご夫婦もいるのです。
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